すずめ歯科院長 鈴木宏治のブログ
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在宅訪問歯科

2/21に、在宅訪問歯科診療講習会に参加させていただきました。

仙台歯科医師会社会保障委員会の佐藤先生から、「訪問診療における保険請求の勘所」というタイトルのお話を聞かせて頂きました。

佐藤先生は、東北大学病院で勤務していた時代に面識のある先生で、会場で私を見つけ「訪問歯科までやるようになったの?」と声をかけて頂きました。

佐藤先生に「歯科の分野で知らないことがあるのが嫌なので勉強しにきました」と返事をしましたが、訪問歯科に関しては、どのような保険のルールがあり、一般の診療所ではなく、施設や在宅で治療を行う際の注意点や、診断基準(一般的なベストな治療が、在宅や訪問では必ずしもベストではないので)についてはまだ不明瞭な部分が多いので、勉強させて頂きました。

 

医療保険だけでなく、介護保険での対応も出てきますし、診療報酬も変わってきますし、実際に訪問診療をやっていない人間には、実感がないため、理解に時間がかかる部分もありましたが、システムが分かったように感じました。

「すずめ歯科」で診療した方が、通院できなくなった際に、施設や居宅に訪問して、その後の治療やケアを行うというのが、今後必要であり、理想的だと思っているので、このような情報の提供はとても良い機会でした。

佐藤先生が、インプラントを入れた患者さんを治療する際に、インプラントを入れた部分は保険診療で対応できないので、インプラントを入れる先生は、その後は、自分で訪問診療を行い、対応した方が良いし、通院ができなくなった後のこともきちんと説明すべきという話をしていました。インプラントをやっているわけではありませんが、「すずめ歯科」でも治療をした後のアフターフォローを訪問診療でできるようにすることも考えないといけないと感じました。

 

訪問診療を行うには、人員の問題、器材の問題、知識の問題があると思いますが、少しずつ行える組織作りをして行きたいと思います。

歯科健診について

2/19に、平成31年度仙台市成人歯科健診事前講習会を受講させて頂きました。

 

仙台市健康政策課の方から、仙台市成人歯科健診の概要について。東北大学大学院歯学研究科歯内歯周療法学分野教授の山田先生からは、「歯周治療における保健指導の重要性と最新の歯周治療について」。仙台歯科医師会の平田先生からは、平成30年度健診の報告と健診業務における注意点について、お話をして頂きました。

 

歯科健診は、仙台歯科医師会に加入していて、この講習会を受講して、推薦受けた歯科医院のみができるものですが、前年度の結果や、今後の目標、治療における教授からの講演など、とても有用な情報を享受できる良いシステムだと、個人的には感じています。

 

仙台市健康政策課の担当者の方からは、この健診を通じて、デンタルフロス(糸ようじ)や歯間ブラシを2日に1回以上使用する人の割合が増加して、タバコを吸う人の割合が減少しているという報告がありました。仙台市と歯科医師会が共同して行うこの健診事業で、多少なりとも仙台市民の健康増進に貢献できているのではないかなと感じました。

 

山田先生のお話は、歯周病治療の基礎的なデータとお話でしたが、データを中立的な立場で読んでいる姿勢を感じることができ、独りよがりな考え方で治療するのではなく、科学的なデータを常にリニューアルして診療に臨むことの重要さを改めて感じました。

また、講演後に、お聞きしたいことがあり、山田教授とお話させて頂きましたが、その際も研究者然とした考え方で、かつ気さくにご教授いただき、とても勉強になりました。

 

平田先生は、東北大学の学生だった時代に、教員として教えて頂いた先生ですが、現在も地域医療のために精力的に活動されていますが、歯科健診の概要について分かりやすく、熱意を持って話をされており、地域医療を担う先生として目標になる先輩だと改めて思いました。

平田先生のように大きな活動はできませんが、少なくとも「すずめ歯科」の関与できる範囲で、皆さんの健康に関与できるように、今後も積極的に情報を吸収して、お話をしていきたいと思います。

恩師から患者さんへの熱意を学ぶ

2/17に、東北大学病院時代の恩師「猪狩先生」の退職記念祝賀会に参加させていだきました。

祝賀会には、歯科医師会の会長、教授になられた旧医局員の先生方と多方面の先生方が出席されていました。これだけの人が集まるのは、先生の人望の深さからだと感じられました。

猪狩先生はとても厳しい先生で、若手の頃は単純に厳しいとしか感じられませんでした。その厳しさが、患者さんに対しての真剣な姿勢の現れということに気付いた頃には、その姿勢をお手本に臨床を行いたいと思うほどの大きな先生だと感じるようになりました。

 

先生のその想いは、もちろん患者さんにも伝わっており、知人の中には大学病院でお子さんを診てもらっている方もいらっしゃるので、「猪狩先生がいなくなったら、その後はどうしたら良いんだろう」とおっしゃる方もいましたし、実際に診療室で泣いてお別れした方も多かったようです。

 

上の写真は、「すずめ歯科」の患者さんから頂いたお手紙ですが、お子さんが一生懸命書いてくれた文章を読むと、スタッフも含め、皆癒されたり、頑張ろうというモチベーションが湧き上がってくれるため、とてもありがたいものです。

 

このように、患者さんとの交流ができるようになったのも、猪狩先生の診療を間近で拝見させて頂いたことが、自分の中で大きいように思えます。

この祝賀会に参加されていた、多くの先輩方からも、たくさんのことを学ばせて頂きましたが、患者さんや後進の先生方に、自分も何かを残せるようになりたいものです。

HIVと感染症対策

2/13nに、仙台医療センター感染症内科長の伊藤先生から「HIV感染症診療の現状」というタイトルで、東北大学大学院歯学研究科分子・再生歯科補綴学分野教授で、咬合修復科科長・感染予防対策治療部部長の江草先生から「歯科ユニットのフラッシングと院内感染防止対策」というタイトルでご講演いただきました。

 

HIV感染症については、過去と現在の状況はだいぶ変わってきているということが分かり、新しい情報のインプットをすることができ、とても勉強になりました。

HIVの感染に関しては、ARTという薬物療法が効を奏し、日本では90%以上の方がAIDSを発症せずに、世界的に見ても感染者ではない人と同じように生きることができる状況になっているようです。ワクチンに関しては、まだ開発が待たれる状況ではありますが、新しく感染する方の人数も1990年代後半から減少しているようで、昔のイメージのような不知の病という感じではなくなっているようです。

 

また、元々HIVは感染力が低いものですが、ARTによる治療を受けている方からは感染することがないため、不当な差別がなくなるように啓蒙活動が必要なようです。

また、国によって、感染経路が大きく異なっており、母子感染、違法薬物の使い回し、性交によるものと対策の仕方も変わってくるというお話でした。日本では圧倒的に同性愛者の方の感染が多いようなので、同性愛者の方は、本人のためにもパートナーのためにも、一度検査を受けることがお勧めされます。

また、できれば一般の方もそうですが、少なくとも我々医療従事者は、スタンダードプレコーションと呼ばれる「全ての人が何らかの感染性があると考えて対応する」ことをルーティンにし、HIVやHBV,HCVの感染がある方の診療を拒否するようなことがないような社会になることが望まれると感じました。

アライナー矯正、そして入れ歯について

2/12に、CLSというスタディーグループに参加させていただきました。

ストローマンという、インプラントで有名な企業から、「クリアコレクト」というアライナー矯正についてのお話をしていただきました。

アライナー矯正とは、俗に言うマウスピース矯正のことで、治療の最終形態をゴールとして、少しずつ歯並びを変えていくマウスピースを入れて、透明のマウスピースで歯並びを変える矯正法です。

色々な種類のアライナー矯正がありますが、世界のシェアで2番目の「クリアコレクト」についての情報をいただきました。

CLSの、矯正専門医の先生からは、アライナー矯正の欠点についてもお話があり、多くの情報をいただけました。

 

CLSの代表である齋藤先生から、入れ歯やインプラントの歯の位置を決定するための分析として利用される「台形法」についてお話がありました。白石市の大野さんという技工士さんが、元々歯があった場所に歯を並べるために考えた方法ですが、齋藤先生が海外で講演される際に、多くの方が興味を覚える考え方で、それを臨床に応用したケースについてお話をしていただきました。

台形法については、会場の皆さんも興味があったようで、多くの質問がありましたが、宮城県の技工士さんが開発し、さらに宮城県の技工士さんと歯科医師が応用した方法なので、この考え方が広まって安定した入れ歯やインプラントの噛み合わせが一般的になると良いのではないかと思いました。



 

オーラルフレイルについて

2/9に、日本歯科大学大学院生命歯学研究科臨床口腔機能学教授で、日本歯科大学口腔リハビリテーション多摩クリニック院長の、菊谷先生の、「チェアサイドで診るオーラルフレイル・口腔機能低下症ー評価と対応のポイントー」というタイトルの講演を聴講させていただきました。

 

「フレイル」という言葉を聞いたことのある方もいらっしゃると思います。高齢者の方々が、要介護の状態になる手前の状態が「フレイル」です。ちなみに、国立長寿医療研究センターの調査では、65歳以上の11%がフレイルだそうです。

この「フレイル」を予防するために、栄養、身体活動、社会参加が3つの柱になっていますが、栄養の部分で、重要になるのが「オーラルフレイル」です。

噛み合わせに問題がある方は、認知症の発生率が高くなり、特別養護老人ホーム入居者に1年間、専門的な口腔ケアを行ったところ、認知機能の低下を抑制することができたというデータもあります。さらに窒息事故のリスク、低栄養のリスク、転倒のリスク、日常生活動作(ADL)低下のリスクにも関係があるという報告もあり、死亡リスクにまで影響があるようです。

 

昨年4月より、口腔機能低下症の検査が保険で導入され、「すずめ歯科」でも、この検査を実施させていただいていますが、口腔機能低下症ということが検査のデータで明確になり、機能低下の原因を理解して、訓練をしてもらうことができるため、明確に問題点が抽出できる良い検査だと思います。

 

老化による機能低下は仕方がない面もありますが、対応することも重要ですね

「お口ぽかん」の弊害

2/3に、新潟大学大学院医歯学総合研究科口腔生命科学口腔健康科学講座小児歯科学分野の齋藤教授の、口腔機能発達不全症に関するお話を聞かせていただきました。

 

口腔機能発達不全症とは、昨年4月に新しくできた保険診療の病名ですが、「食べる」「話す」「口を閉じて呼吸する」などのお口の機能の発達がうまくいかないお子さんについて、機能をうまく獲得するお手伝いをするための病名です。

 

口を閉じることがうまくいかずに、「お口ぽかん」の状態で、口呼吸になると、口が乾燥することで虫歯になりやすくなったり、喉が乾燥することで、扁桃腺が肥大すると言われているそうです。東北地方では3歳くらいの「お口ぽかん」のお子さんの頻度は少ないのですが、年齢が上がるにつれて他の地域と同様に「お口ぽかん」の頻度が多くなるそうです。

 

幼児期も学童期も、口を閉じる力と、「お口ぽかん」との関係が強いため、口を閉じるトレーニングがある程度効果的で、「すずめ歯科」にもおいていますが、「りっぷとれーなー」という口を閉じるトレーニングをする道具なども勧めていました。

 

また、口呼吸をしているお子さんは、その影響でお顔の骨格の変化も起こるようなので、見た目という意味での影響も出てしまうようです。

 

今回の講演では、歯の矯正とも絡んだお話が多く、単純にお口のトレーニングだけでは、難しい部分も多いようですが、まずは鼻で呼吸ができるようにしてあげるのが、我々歯科医や親御さんの役割ではないかと感じました。

細胞診について学ぶ

1/31に、第7回宮城口腔細胞診懇話会に参加させていただきました。

 

東北大学大学院時代に、免疫の研究をしていた際に、お世話になった、当時口腔診断科に在籍されていた室井先生から、病理医でも口腔外科医でもない歯科医が、どのように細胞診専門歯科医資格試験に合格したのかという内容でのご講演をしていただきました。

 

口腔診断科は、大学病院で、どの疾患で、どの診療科に行ってもらうのかということを決める科であるため、診断に関する知識や経験はあったのであろうと推測できますが、半年の勉強で専門歯科医となったのは、同様に病理医でも口腔外科医でもない自分にも参考になるお話でした。

実際に、細胞診専門歯科医師数は、2018年で、80人未満のようですが、内訳としては8割が口腔病理医で、1割強が口腔外科医で、一般歯科医は4人だけということで、一般の歯科医で専門歯科医になった人はわずかという状態です。どのように努力をされたのかという話には、とても共感させていただきました。

 

また、宮城県の口腔細胞診の第一人者である佐々木先生からは、東北大学病院でも細胞診の症例が増えていることや、細胞診の現在についてお話をいただき、毎回のことですが、細胞診に関する情報の厚みを増すことができました。

治療に直接つながるものではありませんが、病理を知ることで、病気の病態に対する理解が増し、さらに、口腔ガンの早期発見につながるものなので、この細胞診の知識を貪欲に取り入れたいと思います。お口の中で気になることがあれば、細胞診という侵襲の少ない検査法がありますので、通っている歯科医院に相談してみることをオススメします。

噛み合わせの治療


1/20に、第4回SOS勉強会に参加させていただきました。SOSとは、シークエンシャルオクルージョンスタディを略したものです。シークエンシャルオクルージョンという噛み合わせの考え方をまとめた、スラヴィチェク先生の下で学んだ榊原さんが、以前立ち上げた勉強会ですが、金子先生という神奈川の先生を中心に再活動を始めた勉強会です。

 

今回は、東京で開業されている鈴木先生が、「歯科人類学と近代咬合論」というタイトルで、御自身の最近出版された本を元にした講演をしていただきました。人類の発生と進化から噛み合わせを考えるというお話でしたが、噛み合わせを考える上で、とても参考になりました。

 

2人目は神奈川歯科大学全身管理医学講座教授の玉置先生で、機能的な噛み合わせをするための歯の形をどのように設定するかというもので、玉置先生のお話は初めて聞かせていただきましたが、とてもロジカルな考え方で、またお話を聞きたいと思う先生でした。

 

最後が、上記の写真の書籍を出版されており、サインまでいただいた技工士の佐藤さんからの「無歯顎補綴と義歯の咬合理論(義歯の深掘)」というお話です。総入れ歯をどう作っていくかというお話でしたが、佐藤さんは、玉置教授の研究室にも出入りしているようで、日本人とヨーロッパ人との違いや、筋肉の生理的な活動も考慮に入れて入ればの噛み合わせを考えているそうです。早速、今後の入れ歯作りの際に、応用させていただこうと思っています。

 

また、代表の榊原さんと、佐藤さんとの討論会は、俗に言う「出っ歯」と「受け口」の噛み合わせになっている顎の方に、どのように対応するかという、それぞれの意見を聞かせていただきましたが、白熱した議論で、このスタディーグループの熱を感じることができました。

糖尿病について

1/19に、東北大学病院糖尿病代謝科講師の澤田先生から、「歯科医師に知って欲しい最近の糖尿病診療」というタイトルのお話を聞かせていただきました。

 

ご存知の方も多いと思いますが、糖尿病の合併症である歯周病、そして糖尿病を重症化する歯周病ということで、「歯周病」と「糖尿病」はお互いに影響し合う疾患です。

歯周病の治療で、HbA1cという糖尿病に関連する数値が0.53%改善するという報告が、2016年の論文にも記載されていますが、この0.53%というのは、糖尿病の薬を1つ処方するのと同様の効果だそうです。ということは、歯周病の治療をしっかりと行うことで、薬を1つ減らすことができるようなレベルの効果だそうで、内科の先生としては驚くべき効果のようです。

 

基礎的な話になりますが、糖尿病は、重症化すると合併症による問題が増加するために、寿命の損失、また生活レベルの低下が起きてしまいます。具体的には、重症肥満、白内障、網膜症、重度の視力低下、心筋梗塞、腎症、脳卒中、壊死による下肢の切断です。

このような重度の問題を抱えないように、治療を行うのですが、軽度であれば、食事療法や運動療法でコストがかかりませんが、内服薬による治療が年に5万円、インスリン治療で、年に12万円、糖尿病網膜症にようる入院で50〜60万円、腎症による人工透析で年間500〜600万円、心筋梗塞により、1回当たり100万円、また合併症の一つである癌の治療によるコストもかかるようです。

やはり、セルフコントロールである、食事のコントロール、運動、そして歯周病の治療が金銭的にも重要なことが分かります。

 

近頃の治療として、糖尿病の治療薬の改善が著しいことが挙げられますが、それ以外に血糖値をモニターすることで、効率的にインスリンを投与することで、重大な問題である低血糖のリスクを軽減することがあります。澤田先生からは、AIの進化によるものだという話をお聞きし、話題になっているAIの恩恵を感じることもできました。

また、種々の研究により、食事の制限の方法についても分かってきたため、無理をしない食事制限(具体的には、食べる順番と、糖質の制限)の応用が行われているようです。食べる順番は、コース料理や会食が参考になると思います。

また、別の講習会でも話を聞きましたが、そもそも2型糖尿病の方は、食事制限も運動も自分で行うことができなかったということで、努力は期待できないという考えで、米国では胃を小さくするという肥満外科手術も行われていますが、日本でも現在行われているようです。

 

繰り返しになりますが、まずは運動や食事のコントロール、そして歯周病の治療によって、予防を行う。糖尿病になってしまったら、糖尿病が軽度のうちに治療を開始して、低コストで済ませ、合併症が起きないようにし、糖尿病が進行して、医療費が増加したり、寿命や健康な生活に悪影響を及ぼさないようにするという考え方を持つべきではないでしょうか。