すずめ歯科院長 鈴木宏治のブログ
歯科治療の質の向上について

 現在、大学病院から非常勤の先生お二人に、手伝いに来て頂いていますが、4月から新しい先生を迎えることになりました。ご予約が取りにくい状況を少しずつ緩和できればと考えています。

 さらに、歯科衛生士さんも4月から1名増員することになりました。人員増加に伴い、診療日の変更も行う予定です。

 現在、事務処理に追われ、さらに新型コロナウィルスの影響で、講習会が全て中止、及び延期になってしまったため、ブログの更新を怠っていました。申し訳ありません。

 

 このような時期なので、講習会による学びができなくなってしまい、代わりに書籍の購入や、インターネットのライブでの講習会の受講を行っている状況です。

 学びに関しては、「実習のある研修会に参加する」「できる先生の治療を見学する」「講習会に参加する」「インターネットのライブ講習会に参加する」「書籍、論文を読む」「他の先生とディスカッションをする」といった方法があると思います。歯科治療に関して、これらの学び方に優劣はなく、それぞれの利点があると思いますので、私がどう考えて学びの場に参加しているのかを挙げて、外出を控えるこの時期の生活の仕方の参考にしていただければと思います。

 

 歯科治療に関しては、手を動かすことがメインになるので、「実習のある研修会に参加する」「できる先生の治療を見学する」という方法が最も効率的に思えるのではないでしょうか。実際に「百聞は一見にしかず」という格言があり、熟練者の技術を学ぶことは、とても重要なことで、自分の持っていない治療オプションを学ぶには必須のものです。

 ただし、熟練者の技術や考えというものは、一朝一夕で身に付けたものではなく、そのレベルに到達するまでの知識や経験のバックボーンがあるため、小手先の技術だけで分かったように思ってしまうと、大きな失敗が起きます。また、技術を自分のものにするためには実践の経験数が必要という面もあり、研修会に参加したり、治療を見学しただけでできるように思ってしまったり、難しくて結局治療に生かさずに終わってしまうということも起こりえます。

 

 「講習会に参加する」「ライブ講習会に参加する」という方法は、新しい知識をインプットするのに向いている方法です。ライブ講習会に関しては、移動するための時間やコストを削減することができ、録画視聴ができるものであれば、繰り返し確認することができたり、空いた時間に学ぶことができる便利な方法です。では、ライブ講習会の方が優れているのかと言えば、そうではなく、講習会に直接参加するメリットが2点あると思います。1点目は、講習会に参加するというモチベーションの高い先生方の集団に入ることで、自分のモチベーションが上がったり、勉強熱心な先生方との情報交換ができるというものです。2点目は、講師の先生に直接質問する機会ができるため、より深く理解することが可能だというものです。

 

 「書籍、論文を読む」という方法は、最もコストパフォーマンスの高いものだと感じます。上記の方法に比べて、モチベーションの向上や技術を直接見る、質問できるなどの直接的なプラスはありませんが、書籍に文章をまとめたものは、筆者の長く学んだ背景も含めて記載されているため、熟読することで、その考えのベースを理解することができます。論文を読むと世界の最新の情報が確認できます。時間の都合も関係なく、推考できるため、知識の基礎を構築するた目の学びとしては必須の方法ではないでしょうか。

 

 「他の先生とディスカッションする」ことは、集まる先生によってバイアスがかかってしまう欠点もありますが、他者の考えを聞くことができること、情報交換や親交を深めることができること、コミュニケーションを取ることによるストレスの解消というメリットがあると思います。

 

 現状、人が集合することについてはネガティブな状態なので、私は「インターネットのライブデモへの参加」「書籍の購読」「論文の読み込み」の3つを行っています。外に出て学ぶ機会の損失はありますが、腰を据えて学べる状況でもあるので、今できることを黙々とやっている状況です。

 できないことは仕方がないので、今だからこそできることに目を向けてみるのも発想の転換として良いのではないかと思います。

ホスピタリティ

 上の写真は患者さんに、「ホワイトデイなので」といただいたものです。スタッフ皆にも、それぞれコメントを添えてプレゼントして頂きました。

 このプレゼントを頂いた翌日に、他の患者さんから雑誌を「すずめ歯科」に贈ってくださったお話をいただきました。

 

 医療の現場では、ホスピタリティという言葉がよく用いられます。ホスピタリティとは、「思いやり」や「心遣い」という意味を持ちますが、上記の患者さん方が我々にしてくださった行為もホスピタリティの例だと思います。

 また、受付のスタッフにお褒めの言葉を頂いたり、治療の説明について「分かりやすい」と評価していただくことも同様ではないでしょうか。

 

 ホスピタリティという言葉を使うと、何やら専門的な感じがしますが、お互いが相手を思いやって行動することが当たり前になれば、このような言葉を特別視しなくても良いのではないかと近頃感じています。

 

救急医療及び災害医療と病診連携講習会

 2/22に、「東日本大震災以後石巻赤十字病院の歯科開設と現状」というタイトルで、石巻赤十字病院の石橋病院長から、お話を聞かせて頂きました。

 以前から、入院されている患者さん方の肺炎の発生は、お口のケアを専門的に行うことで、かなり抑えられるという報告が多く存在しました。

 石巻赤十字病院でも、東日本大震災以前から、口腔ケアチームが発足されていたのですが、震災後に歯科診療が開始されることで多くのメリットがあり、現在も歯科医療従事者の増員がなされているという、これまでの流れについてお話をして頂きました。

 

 病院歯科は不採算部門という話を耳にしますが、病院内の患者さんの健康に対して間接的に寄与する部分が多く、積極的に病院歯科を拡充することでメリットが多かったという話を、医科の先生から聞かせていただくと、歯科の役割の重要性を再認識することができました。

 

 私も、表面的に見えることだけでなく、見方を変えて観察することに気をつけるようにしようと思います。

仙台市成人歯科健診(歯周病検診・20歳のデンタルケア)

 2/21に、表題の事前講習会を受講させていただきました。仙台市では、20、30、40、50、60、70歳という節目のタイミングで健診を行い、症状がなく進行し、全身の問題に影響する歯周病について理解してもらい、歯科医院を継続して受診する契機になるように、このような事業をしています。

 さらに、健診の質を担保するために、毎年事前講習会を受講された先生のみが検診事業に登録できるようなシステムを構築しています。

 

 今回は、健診に関する説明の他に、「歯周病の治療と合併症」というタイトルの講演も聞かせていただきました。

 全世界の人口の8%が糖尿病ですが、日本でも「糖尿病が強く疑われる者」「糖尿病の可能性を否定できない者」の推計人数が2016年のデータで2000万人だそうです。

 歯周病もそうですが、糖尿病も症状がなく進行する疾患なのですが、糖尿病患者さんのうち治療を受けている方は4,5人に1人程度の割合で、治療の重要性についてまだ浸透していないように思われます。

 

 血糖が高いということは、細胞のエネルギー源である糖が、血液中から細胞に届かない状態で、進行すると「脳梗塞」「心筋梗塞」「神経障害(足の痺れ、感覚が鈍くなる、こむら返り)」「網膜症(失明原因の第二位)」「腎症(透析の原因)」などのたくさんの問題が生じてきます。

 

 ちなみに、今回の話で私が驚いたのは、「1日2食よりも3食の方が血糖値が下がる」ということでした。朝食と昼食しか摂らない私にとっては重大な内容でした。

 早速、3食に変更したのですが、夕食という今までにない内容が増えたため、体調はあまり芳しくなく、先ほどスタッフに「顔が丸くなってきましたね」と言われ、また2食に戻そうかと悩み中です。

部分入れ歯と、総合的な治療

 2/18に、CLSというスタディーグループに参加させていただきました。今回は、部分入れ歯の治療の際にアルタードキャストテクニックという方法で型採りをしたという発表と、矯正やインプラントなど多くの治療オプションを利用して治療を行った発表でした。

 アルタードキャストテクニックに関しては、論文を読むと、他の方法と比較して結果に差がないと言われていますが、とても有用な方法だと私は考えています。

 発表された先生も、そのように仰っていましたので、どのように考えてアルタードキャストテクニックを利用しているのか、機会があればもっと詳しく話を聞かせていただこうと思いました。

 

 また、多くの治療オプションを利用した発表も、症例としては参考になるものでした。

 

神経の治療の先端医療技術

 2/20に、「過去から学ぶ歯内療法の課題と先端医療技術としての発展」という演題で、東北大学大学院歯学研究科口腔修復学講座歯科保存学分野の齋藤教授からお話を聞かせていただきました。

 

 神経の治療に関しては、考え方により多少の違いはありますが、世界基準と呼べるものがあります。そのため、内容の大半はよく耳にするものではありましたが、東北大学で今どのような研究がされているのかが分かり、とても興味深い講演会でした。

 

 その中で、最も興味深かったものが、CGF(concentrated growth factor)という血液から採取できる成分を利用した再生医療についての研究でした。

 通常の神経の治療では治癒しないこと症例がありますが、その際は、外科的歯内療法という処置を行うと成功率が高くなります。

 この処置は、歯の根の先端部を切除するものす。根の先端から3mmの部分は複雑な形態をしているため、この部分の治癒は難しいため、この3mmの部分を切除することで、治癒率が上がるというのが、ポイントになります。

 

 齋藤先生達は、全身的な問題を抱える患者さんの治療を行うことが多いので、この外科的歯内療法でも炎症が改善しにくい症例に対する対応として、前述のCGFを使用した再生医療を考案し、良い結果が出ているようです。

 歯周病の治療で、再生療法が一般的に行われていますが、根の治療でもこのような方法が出てくるのは、今後の展望として色々なオプションができるので、今後楽しみです。

「歯周病」と「神経の治療」を基礎研究から考える

 2/16に、「下野先生に聞いてみよう!」〜エンド・ペリオ・インプラントの臨床的疑問への基礎からの回答〜というテーマで、東京歯科大学名誉教授、下野先生のお話を聞かせていただきました。

 病理学という基礎研究の視点から、エンド(神経の治療)、ペリオ(歯周病)、インプラントといった臨床をどう考えられるかということを学ばせていただきました。

 

 この学術講演会は、歯朋星陵会(東北大学歯学部同窓会宮城県支部)主催で、大学時代の先輩方と会うことで、古巣に戻ったような感じの、とてもアットホームな雰囲気の講演会でした。

 入れ歯の治療の医局にいた先輩、神経の治療を専門にしている先輩、虫歯の治療の医局にいた先輩、北海道大学出身の高校の後輩など、色々な方からの情報も得られる、1粒で2度以上美味しいものでした。

 

 午前中は、ペリオとインプラントについてのお話です。

ペリオに関しては、治療に関する古い知識による勘違いについてのお話が多く、他の講演会でもよく聞くものが大半でした(自分の持っている知識の復習にはなりました)。その中で気になったのが「上皮性付着が、結合織性付着に置換する」という話です。

 上皮性付着とは、歯茎の粘膜の表面の組織が、きれいになった歯の根の表面につくことによって、歯周ポケットと呼ばれる、歯と歯茎の間の隙間が小さくなる治癒の様式のことです。

 この上皮性の付着が、より健康な状態に近い結合組織性付着へ変わっていくという報告が以前からあったのですが、この付着の変化が5年くらい時間が必要なのではというお話が、私にはとても勉強になりました。

 歯周病の治療を行なって、上皮性付着により歯周ポケットの値が少なくなった方を、より安定した状態に改善するための期間が分からずに経過をみていくのと、ある程度の指標があるのとでは見方が違ってくるからです。

 5年という期間は短くはないですが、目標があれば、皆さんのモチベーションも上がりやすいのではないでしょうか?

 

 午前中のもう1つのテーマであったインプラントについてですが、インプラントを入れている患者さんに理解していただきたいことが提示されていました。このブログを一読していただいている方に、頭に入れていただきたいことが「インプラントは感染に弱い」です。

 本来の歯に比べてインプラントが感染に弱い理由は、「インプラントと粘膜の付着が弱い(感染防御が弱い)」「歯根膜という組織がない(免疫反応が遅く、感染防御が弱い)」の2点に集約できるのではないでしょうか。

 インプラント自体にはメリットも多いのですが、インプラントの弱点を理解していないと、せっかくの治療がむしろインプラントの周りの骨を失うというマイナスの結果に終わることになってしまいます。

 本来の歯でも歯周病が起きてしまうのに、それ以上に炎症が起きやすいインプラントです。そのため、「もともと歯周病で歯を失っている方」「歯周病の治療が不完全な状態」「喫煙者」という3つの要因があると、インプラントは失敗する可能性が高くなってしまいます。

 上の3つの問題がない方も、普通の歯以上に気をつけないと、インプラントがダメになることは認識ておいてください。

 

 午後は、エンドのお話です。神経の治療の話と言っても、神経を取ることについてというよりも、神経の痛みと壊死した神経の血管の再生についての、基礎研究の視点でお話をしていただきました。

 かなり昔の話ですが、当時大学病院の小児歯科で診療していた私に、開業医さんで勤務している同期が「こどもに麻酔をするなんて可哀想だ」と話したことを今でも覚えています。

 小児歯科治療を専門にしている先生の大半は、「痛みを与えてしまうことが、次の治療に対するマイナス要因である」「虫歯を全て取るためには麻酔が必要」という認識で治療をしていると思います。大人の方に痛くならないように麻酔をするのは普通のことなのに、お子さんには痛くならないように麻酔をすることが普通ではないという考え方に違和感がありました。

 この講演会で、前述の話に対する科学的な情報を提供していただけました。麻酔をしないで、痛みを我慢すると、神経の発芽、増生が引き起こされて、痛みに過敏な状態になってしまうそうで、これはお子さんでも同様だそうです。

 「すずめ歯科」では、小さな虫歯でも自分で麻酔をすることを選択するお子さんが多いです。大人だって痛いのは嫌なので、お子さんにも麻酔をしてあげた方が良いのではないでしょうか。むしろ、麻酔をする作業が痛くないように、我々がスキルを磨く必要があるのだと思います。

 ここ最近、エンドの論文にrevascularizationという単語をよく見かけますが、これは神経が死んでしまっている歯の血管の再生と、それに付随した根の発育の促進をする治療法のことです。根の発育の促進という言葉から分かるように、歯の根が完成していない状況の歯に適応される方法です。

 この治療法が、歯の根が完成している状態でも応用されてきていますが、その課題と今後の展望について話がありました。個人的には、もう少し報告が増えて、問題点が改善されるべきだと考えていますが、改善されれば、神経を取らずに治療できる症例が増えてくると思います。

 

 どうしても、臨床の現場では、思い込みや技術に依存してしまうことがあります。今回の下野先生の話のような、科学的な根拠が土台にあった上での治療でなければ無責任なものになってしまいます。技術の向上だけでなく、このような学術的な話を聞かせていただく機会を今後も増やしていきたいです。

 

 

 

 

 

 

 

働き方改革について

2/13に「働き方改革〜歯科医院に求められる対応〜」という演題で、特定社会保険労務士、医療労務コンサルタントの伊東さんからお話を聞かせていただきました。

 

労使トラブルについてのお話や、残業、有給休暇について、歯科医院の状況に即してお話をしていただきました。

 

コンビニエンスストアについての報道もありましたが、現状の日本において、労働力が不足しているという大きな問題があります。従来通り、多様な顧客のニーズに対応することが難しくなっているため、ヨーロッパのように、祝日や日曜日はお店がオープンしていない。そして夜はオープンしていないという状況に変化していくのかもしれません。

 

以前、別の労務管理のセミナーで、今後は医療機関を受診するために、気軽に有給休暇を取ることができ、医療機関は従業員のニーズに合う「夜間の診療はしない」「日曜、祝日は営業しない」という形に変化するのではないかというお話がありました。

働き手の減少を鑑みると、そのような業務形態に移行していくことになるのかもしれませんね。

臨床研修指導歯科医

2/8,9に、歯科医師臨床研修指導歯科医講習会に参加させていただき、上記の修了証書をいただきました。

2/8は休診にさせていただき、ご迷惑をお掛けしてしまいましが、これで臨床研修指導歯科医として、研修医さんの指導をすることができるようになります。ありがとうございました。

 

 

2日間、北海道から沖縄まで全国から歯科医師の先生方が集まり、グループで実習を通して、みっちりと勉強させていただきました。休憩を挟まずの2日間はかなり疲労が溜まりましたが、他では学べない初体験のことが多くあり、研修歯科医師だけでなく、スタッフさん達への教育にも十分に生かせるもので、一石二鳥であったのではないかと感じました。

 

講習会の中で、この臨床研修指導歯科医というものは、歯科医師全体の3%程度のみしか所有していないという話もあり、歯科医院の経営者という立場、歯科医師としての技術者(職人?)としての立場に加えて、臨床研修指導歯科医としての教育者としての新しい一面を加えて考えていこうと思います。

海外の方を歯科医院で採用する

2/6に、日本政策金融公庫さんの主催する「外国人採用についてわかりやすく解説! 外国人採用についてのセミナー」に参加させていただきました。

 

グローバルな世の中になっている中、仙台に住まわれている海外の患者さんが来院されますが、「既存のスタッフさん達のコミュニケーションの向上」「母国語が同じ患者さんと、より濃密な交流ができる人材の確保」「私の英会話能力の向上」という3つの利点があると判断して、海外の方を採用できないかなと思い立ち参加させていただきました。

 

結果としては、歯科医院で海外の方を雇用することは結構難しいということが分かりました。

在留資格には29種類のビザがあり、医療のビザを持っている方か、留学ビザを持っている方が該当すると思われますが、なかなか難しそうです。

 

今回のセミナーで面白いと思ったのは、中国とベトナムの方を合わせると、海外からの労働者の半数を占めるのですが、宮城県では、ベトナムの方が特に多いこと、ブラジルの方が少ないこと、ネパールのかたが多いこことの3点です。

 

「すずめ歯科」での海外の方の雇用は難しいようですが、色々と分からないことを学ぶことができて、とても勉強になりました。