すずめ歯科院長 鈴木宏治のブログ
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先月届いた「委嘱状」「修了証」



先月郵送された証書の写真です。

1つ目は、私が所属している「日本睡眠歯科学会」の診療ガイドラインワーキンググループの委嘱状です。この御時世なので、集まって会議を行うことは難しいため、オンラインミーティングで今後どのような方向性で診療ガイドラインを作成するかというお話がありました。

診療ガイドラインを作るということは、診療に対する知識の再確認もできますし、ガイドラインをつくることで、他の先生方との交流も深めることができるので、良い経験になると思います。また、最新のガイドラインの情報を患者さんに提供できるため、今後期待していただけるのではないでしょうか。

 

2つ目は、「日本歯科医師会」からいただいたもので、所定以上の研修を受けている会員の先生に2年に1度送られるのですが、この2年間継続して勉強できていたということが客観的に分かるのでありがたいです。

 

3つ目は、以前紹介させていただいた「invisalign go」のサーティフィケートです。既に2人の治療を開始していますが、シンプルに歯並びが変わることが期待できるので、少し歯並びが気になるという方にはオススメです。

診断について

 8/27に、EPSDCというスウェーデンのイエテボリ大学で学んだ内容のスタディーグループを立ち上げた宮下先生が、「もう迷わない!最善な歯科治療のためのイエテボリ診断学」というタイトルで、治療の根拠になる診断についてライブセミナーで話をされました。

 宮下先生のSPSDCには友人の歯科医師も所属しており、以前から興味があったため、私も聴講させていただきました。

 

 診断を行う際に基準となるものが、科学的根拠と患者さん個人による考えの違いの2つあり、総合的に判断することが重要だということを一貫して話されていました。患者さん個人の考えを汲み取り、擦り合わせをする技術や思考は一朝一夕には身につかないため、意識的に取り組む必要があると思いますが、科学的根拠とそのデータをどのように考察するのかという話はとても勉強になりました。

 

 例えば、虫歯を検出する際に、我々の肉眼による視診、エックス線写真の読影、光を利用した機器を用いるという手法に関して考えると、虫歯であると確定する感度、虫歯ではないと確定する特異度の2点の両者が優れている手法はないと考えると、複数の組み合わせや、視診、読影の精度の向上が必要で、単純に何かの機器を利用すれば精度が上がるものではないということは若干あやふやになっていた部分を明確に理解することができました。

 

 診断がそもそも違っていると、治癒することができません。治療の質の向上や、最新の器具を用いることも大事ですが、スタートラインが間違っていれば正しいゴールにたどり着くことはできないので、診断の質の向上を疎かにしてはいいけないということを改めて認識できた良質なセミナーでした。

心遣いについて

 上の写真は、患者さんからの頂き物です。ディズニーランドに行かれたとのことで、受診日ではないのにわざわざ「すずめ歯科」まで来ていただいそうです。また、写真はありませんが、スタッフの誕生日に薔薇の花束をご持参いただいた患者さんもいらっしゃいました。他のスタッフにも薔薇の花をそれぞれ手紙付きで渡してくださったようです。

 ディズニーランドに行かれた患者さんは、スタッフへの気遣いと現在のご自身の状態について記されており、診療外での患者さんの情報は診療を行う上でとても大切な情報です。また、何かと心身ともに疲れやすいこの時期に労いのお手紙は心に染みます。

 薔薇の花をご持参していただいた患者さんの手紙については、スタッフのものなので分かりませんが、やはりスタッフは喜んでおり、リフレッシュできたのではないかと思います。

 

 スタッフが新しく加入すると、「すずめ歯科」のシステムに慣れていなかったり、患者さんとのコミュニケーション力がそもそも不足していたり、技術に改善の余地があったりすることで、患者さんに不満が出てしまいます。今年は2名の増員を一度に行ったため、教育が行き届かず残念なことにサービスの低下が生じてしまいました。

 さらに問題なのは、人数が増えたことで私が気付かなかったり、気付くのが遅かったことです。その後、1名が退職したことや、教育システムを私以外にも担ってもらうことで対応していますが、新旧スタッフのどちらも先に挙げた患者さん達の心遣いから何かを学んだのではないかと思います。

 医療は対人関係が重要ですが、患者さん方から学ばせていただくことも多いので、前述のお心遣いには色々な意味で感謝の念が湧いてきます。

 今後もメンバーの変化が起こりますが、組織として良い方向に進んでいけるように、心遣いのできる組織であるようにしていきたいと思います。

 

ICカードでのお支払い

 

9/9から、上記の写真の「nanaco」「suica」「waon」「楽天edy」でのお支払いが可能になりました。

 今までのように現金、カード以外でもお支払いが可能になりましたので、ご希望の方は受付でお伝えください。

骨格の違いと総入れ歯の形態の違い

 8/27に、第5回Dr.松丸の1枚の臨床写真からONLINE LIVEという、総入れ歯のスペシャリストである松丸先生とゲストの先生が症例の写真から総入れ歯について学ぶというライブセミナーを聴講させていただきました。

 今回は、2級と呼ばれる上顎が下顎よりも大きい骨格の場合の総入れ歯の治療についてのお話でした。

以前もご紹介させていただきましたが、我々歯科医師は骨格を3タイプに分けて考えます。2級以外では、上下の顎の骨の前後的なバランスの取れている1級、下顎の方が大きい3級という分け方です。

 今回の2級の場合、1類と2類にさらに細分化しますが、この2つの違いと入れ歯の人工歯のポジショニングについてもお話をいただきました。2級1類は上の前歯が前に出ているタイプで、2級2類は上の前歯が内側に入っているタイプです。元々の歯があったであろうポジションによって、残っている顎の骨の形も位置も変わってくるため、そこも考慮して歯を並べないと、機能的にも見た目的にもアンバランスになってしまうという内容は、聞けば当たり前に思えますが、意外と盲点だったと感じました。

 

 また、毎回松丸先生のお話で、歯型を採った写真から考察していきますが、入れ歯をつくる際の「型採り」「噛み合わせのポジション決め」「人工の歯のポジショニング」の3つのポイントで、初めの型採りがうまくいっていないと、その後が全て台無しになることに関してはしっかりと考えるべきだと思います。

 以前、すずめ歯科で働いていただいた先生が、総入れ歯を作ってうまくいかなかった症例を、私が対応した際に、初めの型採りの精度の問題でうまくいっていなかったことに気付いたこともありました。型採りは一見、単純な作業に思えますが、とても重要で、しっかりとチェックするべきポイントだと思います。

 型採りはあまり好まれない作業ですが、とても重要なものなので、良い入れ歯をつくるためにご協力いただけると幸いです。

マウスピース矯正(インビザラインGO)について

8/23にに、Invisalign Goシステム導入コースを受講しました。

Invisalign Goとは、マウスピースを使って矯正をする手法の1つで、大臼歯と呼ばれる奥歯2本ずつはそのままで、手前の歯上下20本を動かすというシステムです。他にも多くの種類のマウスピース矯正のシステムがありますが、すずめ歯科ではこちらのシステムを導入するため受講させていただきました。

 

 まず、マウスピース矯正についてですが、元々はInvisalignやASOアライナーなどがあります。マウスピースを付け替えることで、ゆっくりと全ての歯を動かすシステムですが、もちろん良い点と悪い点があります。良い点は、透明のマウスピースをはめるため、ワイヤーを使った矯正のように見栄えに欠点があったり、邪魔になったりしにくいというものです。悪い点は、マウスピースをはめるのは患者さん本人のため、ちゃんと使ってくれないと歯が動かないということと、ワイヤーを使った矯正法ほどは動かすことができないという点です。

 また、奥歯も含めて全体を動かすということは、全体の動きや噛み合わせについても考慮する必要があり、思ったように動かなかった場合のリカバリーも考えると、矯正の専門医の先生でないとちゃんと活用することができないのではないかというのが私の考えで、今まで導入はしていませんでした。

 

 今回のInvisalign Goシステムのような、奥歯の状態はそのままで手前の歯だけを動かすというものは、矯正の費用が少なくて済むというメリットと、噛み合わせが良い方の場合は手前の歯だけの移動で済むため、専門医の先生でなくても安心して治療ができるという点で、すずめ歯科での導入も良いのではないかと考えています。

 奥歯以外の20本だけを動かすシステムもたくさんありますが、Invisalign Goを選んだ理由ももちろんあります。

 1つ目の理由は、Invisalignシステムでの情報の蓄積で可能になったAIによる予測の上での処置という点です。AIを利用したデジタルシステムのおかげでかなり精度の高い予測が可能になっていると思われます。

 2つ目の理由は、特許になっていますが、3次元的な動きが可能になったアタッチメントのデザインです。歯の表面に小さい詰め物をすることで、より複雑な動きが可能になり、他のシステムよりも幅広い症例に対応していると考えられます。

 

 もちろん、デメリットもあり、よりしっかりと動かすためには、歯の幅を小さくするために少ない量ではありますが、歯を削ることも考える必要があるということです。アタッチメントについても邪魔に感じるかもしれません。

 

 総合すると、このシステムについては、奥歯の噛み合わせが安定している方であれば導入することができ、最終的な歯の並びの予測を確認してから開始することができる(検査費用として20,000)。よりきれいに並べるためには、歯の幅を狭くしたり、アタッチメントを利用するというオプションも考える必要がある(別途料金は不要)。一般的な矯正よりも短期間(半年程度)で安価(リテーナーという後戻り防止のマウスピースが4枚込みで385,000)というものです。

 今後、ホームページ上で、専用のページも作成しますが、治療のご希望がある方はお伝えください

総入れ歯について

 7/29に、総入れ歯のスペシャリストの松丸先生の「Dr.松丸の1枚の臨床写真からONLINE LIVE」の5回目を聴講させていただきました。実際の臨床写真を使って、治療に関する相談をオンラインで行うという画期的なセミナーで、ゲストの先生と対話をしながら治療について説明を行うというライブ感たっぷりの内容で、細かいところにも手が届くような良質なウェブセミナーです。

 今回は、下の入れ歯をつくる際の歯型採りと、その際に考えるべき顎の形態について、時間をオーバーした白熱した内容で教えていただきました。

 

 松丸先生のセミナーは、枝葉のところまでしっかりと教えてくれるため、新しい気づきがいつもたくさん得られるのですが、今回もたくさんの情報があり、総入れ歯の治療をする際に観るべき点がよく分かりました。

噛み合わせの本質を学ぶ3

 7/26のVieSID Web Summer School 2020は、ハンガリーのElod Ury先生の噛み合わせの診断についてのお話、ドイツの技工士のStefan Thunertさんの噛み合わせの状態から、歯の形を考えることについて、フランスのJean-Daniel ORTHLIEB教授の噛み合わせの高さについて、カナダのIan Teste先生の歯の磨耗について、オーストリアのDiwakar Singh先生とギリシャのPetros Kokkinos先生の神経筋障害のある方の治療について、ハンガリーのManol Ivhev先生の治療の質のコントロールについて、2日目にネットのトラブルでお話を聞けなかったコロンビアのMiguel Assis先生からは、ナソロジーという噛み合わせの理論の過去と現在について。と盛り沢山のお話を聞かせていただきました。

 

 Dr. E. Uryは「Details in Occlusion: Why Diagnoses matters」(咬合の詳細:なぜ診断が重要なのか)というタイトルで、御自身がどのように噛み合わせについて診断をしているかという話をしてくださいました。診断を行う上での、咬合器と呼ばれる装置のデータ、エックス線のデータ、顎の運動についてのデータをデジタル化して行われており、そのどれもがスマートなものでした。今後はデジタルとアナログが融合した診断、治療がなされていくと思いますが、現状でできる最善の方法のように思われ、とても感銘を受けました。

 

 Dr. S. Thunertは「The dental Technician in the Diagnostics and Rhabilitation Process of the CMS」(CMSの診断とリハビリテーションのプロセスにおける歯科技工士の役割)というタイトルで、製作物の作り手としての技工士さん目線から、歯科医師がどのように歯を削るかという事を伝えてくださいました。歯科医師が歯の形を整えて、歯科技工士さんが新たな歯の形態を創り出すのですが、歯科医師が削り足りない部分は歯が大きくなり、歯茎の問題や噛み合わせの問題を生じてしまうので、作り手視点の情報はとても勉強になりました。最終的な形を見据えて歯を整えることの重要さを再認識させていただきました。

 

 Prof. Dr. JD Orthliebは「Strategy of Choice of the Vertical Dimension of Occlusion」(咬合高径の選択法)というタイトルで、噛み合わせの位置を決めるルールについて分かりやすく教えていただきました。我々が患者さんの骨格を見るために頭の骨のエックス線写真を撮影することがあります(矯正治療では必須だと考えられます)が、噛み合わせを決めるためには、このエックス線写真は参考程度に考えて、他に顔のバランス、入れ歯や被せ物を入れるために必要なスペース、前歯の接触関係といった複数の視点で、複合的に考えるべきだというお話でした。奥歯がなくなってしまって放置してしまったケースや、歯医者さんで入れた被せ物が低かったりしたケースで、きれいな前歯の配置にするためや、しっかり噛めるようにするために、噛み合わせの位置を変えるという治療はとても難しいものです。色々な方法や診断法があって、自分の持っている知識と技術の引き出しを総動員して行うのですが、4つのポイントと、それらを総合して判断する思考についてまとめていただくと、意思決定しやすくなるためとても参考になりました。

 

 Dr. I.  Testerは「Stepping back: The importance of seeing the big Picture in Diagnosis」(一歩引いてみよう:診断において全体をみることの重要性)というタイトルで、歯の咬耗、酸蝕、磨耗についてのお話と、顎関節についてのお話から、加齢により起こりうる現象という広い視野でのお話を聞かせていただきました。何かの症状と別の症状を安易に結びつける傾向が世の中には溢れていますが、顎関節症と歯が削れていることに関連はないというデータもあり、45分という短い時間でしたが、関節と歯の変化について明瞭にイメージすることができました。

 

 Dr. P. KokkinosとDr. D. Singhは「Case Presentation on comlex Neuromuscular Patient treated with CMR Concept」(CMRコンセプトによる複雑な神経筋疾患の患者さんの症例発表)というタイトルで、神経科、耳鼻咽喉科、精神科、口腔外科、整形外科などの12名の医師の診察後、紹介されて難症例を治療したお話を聞かせていただきました。種々の問題がある場合の治療はとても難しいのですが、連携も取りながら治療を行った流れはとても参考になりました。

 

 Dr.M. Ivchevは「Quality control in functional occlusal therapy」(機能的な咬合治療における質のコントロール)というタイトルで、材料にも視点を向けて、それぞれのステップでミスがなく確実に治療を行うことの重要性についてお話をしていただきました。治療に限ってのことではないですが、それぞれのステップを確実に行うことの重要性と、どのステップも間違いがあると最終的に失敗に陥ってしまうことについて改めて考えさせられました。

 

 Dr.M. Assishは「Old vs New Gnathology」(過去と現在のナソロジーの歴史)というタイトルで、1924年にアメリカの矯正医が定義したナソロジーという噛み合わせについてのコンセプトが、40年前に誕生した新しいナソロジーとどのように違うのかというお話をしていただきました。噛み合わせに対する考え方の変遷に関してとても分かりやすくまとめて頂き、顎の関節と筋肉、歯の形についてのイメージがはっきりしたように思います。

 

噛み合わせの本質を学ぶ2

 7/25のVieSID Web Summer School 2020は、佐藤貞夫教授のハイアングルと呼ばれる下顎の骨の角度が大きいタイプの方の矯正治療が難しい症例のお話、ブラジルのNelson J Oppermann先生の小帯と呼ばれる粘膜のヒダと成長に関するお話、コロンビアのAlejandora Londono先生の矯正装置の摩擦についてのお話、ロシアのDenis Pogodin先生の多方面の視点から治療を行った症例のお話を聞かせていただきました。

 コロンビアのMiguel Assis先生の話は、コロンビアのネット環境の問題で接続ができず、3日目に変更になりました。

 

 佐藤教授は「High Angle Case Treatment」(ハイアングルの症例の治療)というタイトルで、同じハイアングルでも、上顎の骨が下顎の骨よりも前方に位置している2級と呼ばれる症例と、下顎の骨が上顎の骨よりも前方に位置している3級と呼ばれる症例では、治療の考え方も異なるというお話を症例も交えて説明していただきました。

 治療が難しいハイアングルの矯正治療で、どのように考えるのかというお話は、実際に私は治療を行いませんが、イメージが明瞭になりとても勉強になりました。

 

 Dr. N.Oppermanは「Labial and Buccal Frenulum Insertion, is this a genetical or vertical Problem? Another Paradigm to be changed?」(唇側と頬側小帯〜遺伝的か垂直的問題か?パラダイムチェンジなのか?)というタイトルで、小帯と呼ばれるヒダの位置が歯に近い場合に、骨の成長についても考慮するというお話をしていただきました。

 我々歯科医師は、歯や歯肉、顎の関節などは詳細に見るのですが、小帯に関して詳細に考察することがほとんどないので、お口の中の状態を具に観ることの重要性を改めて認識することができました。

 

 Dr. A. Londonoは「Let's Talk about Friction」(摩擦の話をしよう)というタイトルで、矯正治療の際に使われる新しいタイプのブラケット(歯につけるボタンのような装置)と従来型のブラケットに関して、摩擦に関してをターゲットにお話をしていただきました。

 ブラケットに限らず、色々な材料や器具が考案されるのですが、新しい物が必ずしも優れているわけではなく、それぞれ長所と短所があること。また、イメージだけで材料や器具を選ぶべきではない事を改めて実感しました。私も新しいものを紹介された場合には、材料についての資料と、そのデータ、得ることができるのであれば論文についても確認して、さらに使用してみて考えるという事をしていますが、今後も肝に銘じて考えていこうと思いました。

 

 Dr. D. Pogodinは、「Multidisciplinary Approach in the Treatment of Patients with complex dysfunctional Problems」(複雑な機能障害を持つ患者のマルチディシプリナリーアプローチ)というタイトルで、実際にどう考えて治療を行ったかという症例の発表をしていただきました。

 多方面からの診査、そして治療をされていて素晴らしい症例発表でしたが、やはり全体的に考えて治療を行う必要があるという事を症例を通じて教えていただきました。

噛み合わせの本質を学ぶ

 7/24,25,26の3日間、VieSID Web Summer School 2020(咬合の”本質”を”本気”で学ぶ3日間コース)を受講しました。VieSIDとは、Vienna School of Interdisciplinary Dentistry のことで、オーストリアのウィーン大学の元教授のRudolf Slavicekが考案したシークエンシャルオクルージョンという咬合(噛み合わせ)に関する哲学を学ぶ場ですが、毎年ウィーンで行われるサマースクールをCOVID-19の影響で集まることができないため、今年はウェブ上で3日間開催されました。

 現地時間の昼に開催されたため、日本時間では21:00〜1:00の予定で行われましたが、熱のこもったセミナーのため3日間とも延長され、最終日は2:30を過ぎる長時間のセミナーになりました。

 本日は初日の内容について簡単に報告させていただきます。

 

 初日は、R.Slavicekと息子さんのC.Slavicekからの挨拶の後、オーストリアのEva Piehslinger教授の顎関節のお話、同じくオーストリアのXiaohui Rausch-fan教授から歯周病と噛み合わせについて、ポーランドのJolanta Kostrzewa-Janicka教授から身体表現性障害について、ハンガリーのAnna Nagyさんからは症例についてご講演いただきました。

 

 Prof. E.Piehslingerは「The Temporomandibular joint-a joint of constant change」(顎関節ー常に変化する関節)というタイトルで、新生児から成長する過程で顎の関節がどのように変化していくかというお話と、平均寿命が長くなった現代人において、この変化する顎の関節について理解して噛み合わせの治療を行う必要があるという、とても興味深いお話を聞かせていただきました。

 元々小児歯科に所属していた私は、小児期の問題が成長期に悪影響を及ぼし、成長後の長い人生まで影響があることも考えると、早期にしっかりと考えた治療を行う必要があることと、その際に考えることができるエビデンスのある知識の収集が必要であるということを実感させられました。

 

 Prof. X.Rausch-Fan &TEAMは「"Updated Evidence about Relationship of Occlusal Trauma to Periodontitis and Rehabilitation of functional Occlusion for periodontally compromised Patients"」(歯周病患者の咬合性外傷から歯周炎への移行と機能性咬合のリハビリテーションとの関係についてのエビデンスのアップデート)というタイトルで、歯並びと歯周病、顎関節症に対する多分野からの診断、治療に関するお話を聞かせていただきました。

 噛み合わせと歯周病に関しては、まだ情報が十分ではないと考えられますが、現状分かっていること。例えば骨格のタイプと歯周病に相関性がないことや奥歯で干渉がある場合は歯周病が進んでしまうということについてのお話は、実際の臨床において、歯周病を考える際の重要な引き出しになりました。

 

 Prof. J. Kostrzewa-Janickaは「Somatoform Disorders」(身体表現性障害)というタイトルで、感覚の異常によって噛み合わせが悪いと感じる患者さんにどう対応するのかということについてお話をしていただきました。

 感覚の異常については、診断や対応がとても難しいのですが、検査の結果で異常がなければ、治療の介入は最小限にするか、治療をしないという選択をし、最小限の治療としてどう考えるかという事を学びましたが、この場合、診断がとても重要だと感じました。検査をして問題がないという判断がまず正しいのか、身体表現性障害だと判断した場合の適切な説明ができるかどうかというのは、臨床医としての能力が高くないとできないのではないかと思いました。

 

 Dr. A.Nagyは「Case Presentation & Discussion」(症例発表とディスカッション)ということで、上顎が下顎より大きいII級と呼ばれる症例について、どのように診断し、治療をしたかという発表をしていただきました。

 矯正治療と補綴治療を、しっかりとしたVieSIDの診断を基に行なっているので、なんとなくではなく明確なゴールを目指して治療をしているのが分かりましたし、とても参考になりました。